著者
新井 久爾夫
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-51, 2001-03-31

2000年6月25日に投票が行われた第42回衆議院議員総選挙は、自民、公明、保守の与党3党が揃って大きく議席を減らしながらも、衆議院での絶対安定多数を維持するという微妙な結果に終わった。自民党は東京、名古屋などの大都市圈の選挙区で有力議員を含む多くの候補者が落選したばかりか、「1区現象」といわれたように県庁所在地の選挙区の1区でも苦戦をした。その一方で、農村部の選挙区ではこれまでどおり多くの議席を確保した。また、比例でも前回に比べてかなり議席を減らした。都市住民の批判が自民党を敗北させた、都市では有権者の政党離れが進み、いわゆる「無党派層」が増えており、その「無党派層」の自民党への反乱がこのような選挙の結果をもたらしたというのが選挙後のマスメディアなどの論調である。