著者
永見 豊 新井 大介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

近年、街区公園は少子高齢化や世代交代など利用者の変化に対応できておらず、利用者が減少している。そのような中、利用者のニーズに合わせてリニューアルを実施する公園が増えているが、地域住民の意見の取り入れ方や調整方法が課題となっている。 現在、八王子市清川町ではまちづくり準備会が結成され、清川町一号公園のリニューアル計画が検討されており、筆者は、景観アドバイザーとしてこの計画に参加した。本研究では、住民参加型公園リニューアル計画の検討経緯と住民の要望や意見の集約のポイントを紹介する。<br> リニューアル案に対して、意見をだしやすくするために、アルタイムで視点を移動し、空間を確認できるリアルタイムシュミレーションを用いることにした。利用者の視点で見らことができることで空間をイメージしやすくなり、活発な意見がでるようになった。意見の集約のポイントは、完成イメージを共有し、意見を受けるときは、「どんな空間にしたい」のか、具体的な意見を抽象化して把握することが大切である。<br> 今後の課題としては、シミュレーション作成の費用の確保とデザイナーがファシリテーターとして会議に参加するしくみづくりが挙げられる。