著者
渡辺 大介 永見 豊
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.106, 2008 (Released:2008-06-16)

現在、住宅街での物取り、痴漢さらには子供を狙ったような犯罪を多く目にするようになった。公園では、秩序違反が犯罪の呼び水となっていたり、遊具の老朽化により利用者の事故が起きていたり、樹木の管理が不十分で景観面が低下している場所などがある。公園は、子供達をはじめ多くの住民が利用する場所のため、特に防犯面・安全面を向上することが必要になる。また、憩いの場所として、景観面への配慮も必要になる。それらは公共施設である公園を多くの人に安心して利用してもらい、自分の住んでいる街に愛着心を持ってもらい、住みやすい街づくりへとつながることになる。 そこで、本研究では防犯、安全、景観の向上に必要な要素を整理し、利用者別に特化した公園を計画し、誰もが安心、安全、快適に利用できる公園の提案を行った。
著者
永見 豊 福島 雅弘 滝沢 正仁
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.454-455, 2018 (Released:2018-06-21)

道路交通法による規定では、歩行者が信号機のない横断歩道を渡ろうとしている場合、車は一時停止しなければならない。しかし、一時停止をしていない車は9割以上と非常に多い。それは、多くの運転手が「後続車がなく、通り過ぎれば歩行者は渡れる」と認識しているためである。交通の安全を確保するためには、横断歩道では「歩行者が優先である」という運転手の意識を向上させる必要がある。海外の報告では横断歩道を立体的に見えるようペイントしたところ、速度抑制の効果が認められている。そこで、本研究では視覚効果を利用したメッセージ入りの立体横断歩道を提案した。文字によるメッセージは、車優先へ意識を変えることを考慮して「歩行者優先」とした。配色はフォトモンタージュで色の明度差と文字との色合いに着目した案を複数比較検討し、その中から文字の見えやすさと色合いの良いオレンジと黒文字の組み合わせを選定した。大学構内の横断歩道にペイントを施し、学内で運行をしているバス運転手4名にヒヤリングしたところ、全員から「横断歩道が目立っていた」、「メッセージが伝わりやすかった」という回答が得られた。
著者
永見 豊 本橋 直也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.108-108, 2008

道路を走行する運転手にとって目前に広がる景色の変化を眺めることは、ドライブの楽しみの一つである。しかし、単調な景色が続いたり、道路脇に遮音壁や目隠し板などで景色が遮られている空間(図1)では、集中力の低下や眠気の発生により、事故へとつながる可能性がある。道路は延長の長い構造物であるため、部材要素の繰り返しが多くなるのが特徴である。一般的にある要素が同一の調子でくり返されるとリズムが感じられ、逆に変化が小さくわずかに感じる程度であれば単調になる1)。道路の内部景観では、道路要素が視覚的に流れていくため、運転手はこのリズムをより強く感じることになる。そこで、本研究では「動的視点で見た場合のパターンと印象の関係」の傾向を探り、その応用として、「単調さを改善する遮音壁のデザイン提案」を行った。
著者
竹末 俊昭 永見 豊
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P18, 2009

デザインの対象が「モノ」から「コト」、そして「サービス」にまで領域展開するに従い、デザイナーは目に見えない課題をも取り扱うようになった。しかし、大学におけるデザイン教育としての明確な取り組みについてはまだ十分に整備されていないのが現状である。そこで、大学のデザイン学科にてプロダクトデザインの基礎を断片的に履修した学生が、システムやサービスといった目に見えない課題に取り組むにあたって、どのような視点に着目しソリューションデザインを行っているかを観察することで、今後の演習課題への取り組みの方向性を見いだしたいと考え、「コンビニエンスストアのサービスビジネスの展開」というテーマで授業を試行した。 その結果、断片的に学んできたユニバーサルデザインやエコロジーデザイン、ITシステム、地域開発、ブランドデザインなどの知識を総合的に駆使してアイデアをまとめようとしている姿に改めて感心した。学生のアイデアであり、提案内容のレベルは素人の域を脱し得ないが、幅広い視点に立って課題に取り組み、解決案を整理させる目的を達成できたものと考える。
著者
鈴木 晴子 佐々 牧雄 永見 豊
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

インターネットが発達し、手紙が衰退しているので、若者に手紙の良さを再認識させ、手紙を書くためのきっかけをつくる。<br>手紙をかかない若者へ訴求するために広告に絞った。大学生を集めた座談会を開いた結果、手紙には温かみがあるという、手紙を書くタイミングがわからないということがあげられた。普段はテレビCMは目にしないということで、トレインチャンネル広告に絞った。<br> 手紙のあたたかみやぬくもりをテーマにした15秒のアニメーションと、ふみの日を伝えて手紙をかくきっかけをつくる30秒の動画を制作した。この動画を視聴することで若者たちは、手紙をかくきっかけをつくり興味を持つと期待できる。
著者
篠崎 広和 工藤 芳彰 古屋 繁 竹末 俊昭 小出 昌二 菊池 司 永見 豊 小幡 真也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.199-199, 2006

本提案は今年で3回目となる拓殖大学工学部工業デザイン学科と株式会社バッファロー社との産学協同プロジェクトの一部であり、PC周辺機器を対象に新しいユーザ層のための商品展開のあり方やブランド展開について提案したものである。ここでは、バッファロー製品の特徴や強みを生かしつつ新しいブランドアイデンティティを確立するため、コーポレートカラーである赤を基調にデータをつなぐ・ためる=赤モノとし、ターゲット別に3つのブランドを展開した。_丸1_私立小学校に通う子供をターゲットにしたBUFFALO KIDS。_丸2_モテ服世代と呼ばれる20代OLをターゲットにしたBUFFA LOVE。_丸3_エグゼクティブシルバーと呼ばれるおしゃれなおじさんをターゲットにしたBUFFALO SOLIDである。各ブランドにはテイストやイメージをより伝えやすくするため、ゲーム・思い出・チェスといったユーザと関わりがあるもので形成された世界観を設定した。販売場所も従来の量販店ではなく、それぞれのユーザが好むショップで販売することで、PC周辺機器に対する興味の拡大を目指した。
著者
永見 豊 鈴木 晴子 滝沢 正仁 木嶋 彰
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.A_230-A_237, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
6

道路に標示される区画線や規制標示の補助的役割をもつ路面標示「止まれ」を対象に、その文字を運転者に立体的に見えるようデザインすることで交通安全に寄与することを目的として研究を行った。遠近法によって三次元立体を平面上に再現する手法をアナモルフォーシスと呼ぶ。この手法を用いて、「止まれ」の路面標示文字を立体的に見せるデザイン案を作成した。ドライブシミュレータを用いたCG走行実験に加え、実物大シートを設置した道路での実走実験によりその効果を検証した。その結果、「止まれ」文字の横表示ブロック案と「止まれ」の道路標識を表示した案は、運転の障害になることなく、止まろうとする意識を高められることが確認できた。
著者
鈴木 晴子 永見 豊 鈴木 淳一 滝沢 正仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

高速道路での逆走が問題になっている。現在、看板や路面標識などの視覚的対策がされているが、どの対策がどれほどの効果をもたらすかは明らかにされていない。そこで、どの対策や組み合わせが効果があるのか検証する。場所はパーキングエリアの入り口を想定した。路面舗装、指摘する看板の数、指摘する看板の色、路面標識を組み合わせて検証した。CGでサンプルを作ってドライブシミュレータで実験をした。その結果、空間を占める赤色の面積を大きくするほうが効果が高まることが分かった。
著者
永見 豊 新井 大介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

近年、街区公園は少子高齢化や世代交代など利用者の変化に対応できておらず、利用者が減少している。そのような中、利用者のニーズに合わせてリニューアルを実施する公園が増えているが、地域住民の意見の取り入れ方や調整方法が課題となっている。 現在、八王子市清川町ではまちづくり準備会が結成され、清川町一号公園のリニューアル計画が検討されており、筆者は、景観アドバイザーとしてこの計画に参加した。本研究では、住民参加型公園リニューアル計画の検討経緯と住民の要望や意見の集約のポイントを紹介する。<br> リニューアル案に対して、意見をだしやすくするために、アルタイムで視点を移動し、空間を確認できるリアルタイムシュミレーションを用いることにした。利用者の視点で見らことができることで空間をイメージしやすくなり、活発な意見がでるようになった。意見の集約のポイントは、完成イメージを共有し、意見を受けるときは、「どんな空間にしたい」のか、具体的な意見を抽象化して把握することが大切である。<br> 今後の課題としては、シミュレーション作成の費用の確保とデザイナーがファシリテーターとして会議に参加するしくみづくりが挙げられる。
著者
永見 豊 滝沢 正仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

高速道路に自転車や歩行者が進入する事案が後を絶たない。、2012年に高速道路に立ち入り、保護されたケースは189件あり、立ち入り理由で最も多かったのは「道に迷った」、次いで「認知症」、「故意」であった。「道に迷った」では、高齢者などが高速道路の入口や出口につながる道路を進むうちに、知らないまま高速道路まで立ち入ってしまうことが多いという。首都高速道路では、出口部と入口部に立入禁止看板を設置し立入防止対策に取り組んでいるものの発生件数は横ばいである。 本稿では、誤進入の原因を想定し、それぞれの対策方針を設定し、首都高速道路東京湾アクアライン浮島入口を対象として、誤進入対策のフォトモンタージュを作成して、見え方を確認した。誤進入対策に効果的と考えられる提案は、路面のカラー舗装と「首都高速」の表示であり、さらに壁面や柱にも首都高のイメージカラーを加えた案は「空間の差別化」が図れ効果的と考える。次にイメージハンプを配置した「視覚的な遮蔽」、自転車・歩行者の目に入りやすい設置位置、見落とした場合にも目に付くような連続配置であった。