著者
新居 智将 鈴木 泰成 徳永 裕己
雑誌
量子ソフトウェア(QS) (ISSN:24356492)
巻号頁・発行日
vol.2022-QS-5, no.27, pp.1-10, 2022-03-17

表面符号は現在量子誤り訂正符号として最も注目されているものの 1 つである.表面符号の復号方法の 1 つに,エラーの推定を最小重み完全マッチング問題に帰着して復号する方法がある.量子ビットによってエラーが起きている確率が均一でない場合,重みが不均質な最小重み完全マッチング問題を解くことで復号の精度が向上することが知られている.しかし,その際に必要な計算量は確率が均一である場合に比べて大きくなってしまう.この発表では,一定の仮定の下でフェニック木を用いることで,最小重み完全マッチング問題による表面符号の復号で必要となる計算量を削減する方法を提案する.