- 著者
-
新山 雅紀
- 出版者
- 大阪体育大学
- 雑誌
- 大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, 2006-03
本研究は、中学男子サッカー選手を対象に、一般的な体力と膝関節の等速性筋力を測定し、これらの体力要素を中心として現状を把握し、技術レベル別、ポジション別でどのような特性が見られるか比較・検討を行い、今後のトレーニングの方向性を検討することを目的とした。その結果、次のことが明らかとなった。(1)技術レベル別で比較した場合、技術レベルの高い選手は、形態および筋力、そして等速性の伸展力・屈曲力に優れており、他の群と比較して有意に高い値を示した。しかし、パワー系に関しては、各群間に有意差が認められなかったことから、スピードの要素を考慮した下肢のパワートレーニングの必要性が示唆され、それ以外の選手については、最大筋力およびパワーの向上の必要性が示唆された。(2)ポジション別で比較した等速性筋力に関しては、有意差は認められなかったが、絶対値ではGKが最も高い値を示し、以下FW、DF、MFの順に高い傾向を示した、体重当たりの値で比較をしても各群間に有意差は認められなかった。GKが最も低い値を示し、FWが最も高い値を示した。(3)伸展・屈曲比については、少し低い傾向を示していることより、ハムストリングの強化の必要性が示唆された。また、柔軟性とハムストリングの筋力に有意な相関が認められたことから、柔軟性のトレーニングを十分に行うことの必要性が示唆された。