著者
槇原 絵里奈 池田 太郎 小野 景子 新濱 遼大
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.742-751, 2022-03-15

オンラインジャッジシステムには多くの問題が収録されており,これらをプログラミング学習におけるアルゴリズムの自学自習支援として活用することで,教員の問題作成コストをへらすことができる.一方,学生が主体的に自身のプログラミング能力に適した問題を選択することは困難であり,最適な問題自動選択手法が望まれている.本論文では,オンラインジャッジシステムにおけるユーザの解答履歴に着目し,解答履歴,解答の正誤を深層学習モデルあるLong Short Term Memory(LSTM)により学習し,問題間の関係に基づいた問題推薦が可能な手法を提案する.オンラインジャッジシステムであるCodeforcesの実データを対象に提案法の性能を検証し,ユーザの解答履歴の高い推定性能を確認した.また,遷移の可視化により,難易度の高い問題へ遷移するための最短な問題経路や,様々な種類の問題へ着手できる核となる問題を明らかにした.