著者
日下 英史 横井 惇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.120, 2007 (Released:2007-11-23)

有機物の浮遊懸濁物質(SS)を多量に含む排水が閉鎖性水域に流入すると環境汚染につながることが問題となっている。このような排水中のSSが低濃度で含まれると従来の処理法ではエネルギーコストの問題も含めて処理が困難となる。そこで本研究では、効率良く浮遊懸濁物質を除去可能な浮選を用い、これらの排水中に含まれる有機懸濁物質を除去することを目的に、浮遊懸濁物質のモデル粒子として比較的多くの食品系排水中に含まれる澱粉を選定し、代表的な捕収剤を用いた場合の浮遊挙動について検討を行った。その結果、捕収剤としてSDSを用いた場合、全pH領域において澱粉粒子を分離することは困難であることが確かめられた。また、捕収剤としてDAAを用いた場合には、pH 3~8の領域において高い浮選回収率を示し、濃度240 ppmの場合において用水中の 澱粉粒子がほぼ完全に除去されることが確認され、有機排水中のSSの浮選による除去および濃縮の可能性が示唆された。