著者
日本循環器学会AED検討委員会
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.303-307, 2003-04-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
10

致死性不整脈によって心停止を起こした患者は,心停止後数分以内の電気的除細動によってのみ蘇生できる.現場近くにいる人が即座に除細動器を使って除細動を行えばそれが可能となるが,現状では一部の有資格者しか,この器械の使用が許されていない.近年,操作が簡単で,専門知識を必要とせず,しかも安全に使用できる自動体外式除細動器(AED)が開発され,とくに欧米では様々な職種の非医師の人達によって積極的に使用され,驚異的な救命成果をあげている.日本循環器学会は,日本においても,AED使用に関する規制を緩和し,非医師による緊急時の除細動行為を促すことが,日本国民の院外心停止からの救命率改善に必須と考え,厚生労働大臣に提言を提出し,国がこれら提言に対して真剣かつ早急に取り組むことを要望した.