著者
安田 英人 讃井 將満 日本集中治療教育研究会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.217-226, 2013-04-01 (Released:2013-05-14)
参考文献数
51
被引用文献数
1

近年,米国のカテーテル関連血流感染症予防ガイドラインでは,皮膚消毒薬として0.5%を超える濃度のグルコン酸クロルヘキシジンを含有するエタノール溶液〔クロルヘキシジンアルコール溶液(chlorhexidine alcohol solution, CH-AL)〕の使用が推奨されるようになった。しかしながら本邦では,依然として10%ポビドンヨードを使用する施設が多い。CH-ALのポビドンヨードに対する優位性を示す研究結果が多いが,エビデンスレベルは必ずしも高くなく,CH-AL濃度による予防効果の違いも明確ではない。CH-ALの妥当性を評価するためには,カテーテル関連血流感染症(CRBSI)およびカテーテルコロニゼーション予防における0.5%を含めた複数のCH-ALとポビドンヨードの効果を比較検討する質の高い研究を行う必要がある。