著者
日詰 正樹 水澤 英洋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.1279-1285, 2006-07-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5

人獣共通致死性感染症のプリオン病は, ヒトでは特発性, 感染性, 遺伝性に大別される. 中でも変異型Creutzfeldt-Jacob病 (vCJD) は他のプリオン病と異なり, 脳だけでなく末梢組織でも異常プリオン蛋白 (PrPSC) が検出され, 輸血や手術による二次感染が問題となる. 治療としてキナクリンなどの薬剤が試されているが, 十分な効果はない. Protein misfolding cyclic amplification (PMCA) の応用などによる早期診断や画期的な治療法の開発が急務である.