- 著者
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村上 環
曹 美枝子
富田 香
田中 靖彦
植村 恭夫
- 出版者
- JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
- 雑誌
- 日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.61-64, 1993-12-31 (Released:2009-10-29)
- 参考文献数
- 6
近視を伴う後天内斜視と診断された男性7例,女性11例計18例の臨床像について検討した.発症年齢は9歳から40歳までの平均17歳で,思春期に発症が多くみられた.屈折度は-3.0D以上が75.0%にみられ,平均-4.47Dであった.斜視角は屈折矯正下にて,遠見16Δから50Δ平均32Δの内斜視,近見16Δから50Δ平均30Δの内斜視で,遠見と近見の斜視角の差が10Δ以上の症例は認められなかった.治療法としては大部分の症例に手術を行い,手術施行例15例中14例は10Δ以下の正位または内斜視となり良好な眼位矯正効果を得た.術後の再発例は2例で,1例は35Δの内斜視が残っており,他の1例は初回手術から10年後に再発したために,再手術を施行し,その後内斜位を保っている.また自然治癒例も1例に認められた.発症要因については,近業の増加と精神的要因の関与を推測している.