著者
有馬 彰秀
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7.8, pp.257-263, 2023-07-05 (Released:2023-08-25)
参考文献数
44

ナノ・マイクロスケールの細孔(ポア)を用いた粒子検出技術は,単一粒子レベルの感度を持ち,物理性状に基づく非修飾・非破壊の評価が可能であることから,幅広い微粒子の分析に利用されている.本稿では,まず著者らによる低アスペクト比ナノポアを用いた1粒子検出・捕捉技術について概説する.続いて,人工知能を利用したウイルス種識別について紹介する.この研究では,機械学習を利用することでイオン電流シグナルの形状特徴量を包括的に活用し,高精度識別を可能にした.また,検体認識分子を修飾した機能性ナノポアを開発し,検体のポア通過時の挙動を選択的に変化させることで識別精度向上を達成したため,併せて紹介する.