- 著者
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             服部 孝治
             
             畑 好昭
             
             後藤 真一
             
          
- 出版者
- 社団法人日本補綴歯科学会
- 雑誌
- 日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.5, pp.980-992, 1996-10-01 
- 被引用文献数
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             8
             
             
             3
             
             
          
        
        本研究は,市販12%金銀パラジウム合金のうち,銅20%を含む合金(GCW)および銅10%を含む合金(TKG)を用いて,歯科精密鋳造法に準じた方法で引張・硬さ・変色試験片および内壁に1/10テーパをもつ変形測定用試験片を作製し,歯冠修復物や鉤製作時の熱処理効果を検討した.試験片を700,750,800,850,900℃で10分加熱,溶体化処理したのち水中に投じて軟化熱処理を加えた.得られた測定値を溶体化処理温度について解析した結果,TypeIV鋳造用金合金に匹敵する強度を持たせるために最適の溶体化処理温度はGCW合金で700∼750℃,TKG合金で800∼850℃と推定され,12%金銀パラジウム合金では銅量の多い合金ほどより低温で溶体化処理したのち硬化熱処理を加えることが必要であることを明らかにしたものである.