著者
望月 由孝
出版者
立正大学教職教育センター
雑誌
立正大学教職教育センター年報 (ISSN:24355321)
巻号頁・発行日
no.1, pp.111-121, 2020-03-01

最近マスメデイアなどで「PTA 問題」が頻繁に取り上げられるようになったが、そこで議論の対象になっている事柄は、「PTA は任意加入なのに全員加入のような状態でおかしい」とか、「PTA の意義がわからない」、「PTA の役員を無理やり押し付けられた」などとすべてが親側がら見たものばかりである。しかしPTA なのだから、P側の意見だけでなくTの立場からの考察がなければその議論は説得力を持たないであろう。 本論考では「PTA はどのような経緯で設立されたのか」、「PTA は本当に必要なのか」、「PTA の現代的意義はどこにあるのか」などについて考察を進めたい。また筆者は1974年から41年間千葉県立高校の社会科教師として勤務したが、1993年からは立正大学で教職科目担当の非常勤講師として兼務してきた。大学では20年ほど前から特別活動の講義も担当してきた。その中で「PTA 活動」の授業を展開し、その成立経過や意義、問題点などを受講生たちに話してきたが、その講義のレジュメや受講生の感想なども参考に供したい。