著者
木原 美妃
出版者
日本学校心理学会
雑誌
学校心理学研究 (ISSN:13465732)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.77-80, 2020

<p>新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,SARS-CoV2によって引き起こされる感染症であり,高齢者や基礎疾患のある人が重症化しやすいのが特徴である。COVID-19は経済だけでなく,教育にも大打撃を与えた。3月16日,カリフォルニア州知事が他の州に先駆けて自宅退避命令を出し,結果として,2019年度末まで学校が閉鎖された。本稿では,COVID-19に関するタイムラインとカリフォルニア州で最大規模の学区の1つであるサンディエゴ学校区(San Diego Unified School District; SDUSD)の取り組みをまとめた。SDUSDは,COVID-19による学校閉鎖中に,遠隔授業用に50,000台を超えるコンピューターを児童・生徒に提供し,14,000時間を超える教職員研修を行い,200万食以上の食事を家庭に提供した。7月13日,SDUSDはオンライン授業で2020年度を開始することを決定した。SDUSDは十分な論理的,医学的根拠をもとに,オンキャンパスでの開校へむけて準備を進めている。</p>