著者
木村 千恵子
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.2_15-2_24, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
12

ドイツにおける産学連携の活性化を,その産学連携組織の制度設計の特徴を洗い出すことで試みた.事例としては,ドイツ人工知能研究所とフラウンホーファー協会という全く異なるタイプの組織の比較を行った.その結果,1)研究所への大学教授の深い関与とそれを支える制度,2)学生のキャリアアップの場として魅力ある教育システムと研究システムが確立,3)財政面で競争と支援が融和,4)知財戦略などの共通点が抽出された.これらの共通点は今後の我が国の産学連携に具体的に導入が可能かどうか,検討に値する.