著者
渡辺 智也 小島 伸枝 木村 憲仁
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.99-105, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
29

【目的】重度脳卒中者の退院時Functional Independence measure(以下,FIM)の要因と転帰先,入院時能力の関係を検討する。【方法】回復期リハビリテーション病棟入院時にFIM 運動項目値が38 点未満の脳卒中者47 名を対象に退院時FIM 値の因子分析を実施。因子得点と転帰先の関係を調査し,入院時Functional Movement Scale(以下,FMS)値,FIM 値を,偏順位相関分析を実施した。【結果】自宅転帰者は全員が介助者を要していた。因子分析では2 因子が抽出され,自宅転帰者15 名中,食事・整容がかかわる第2 因子の因子得点が0 以上の症例が14 名であった。第1 因子は入院時FMS 複数項目と,第2 因子は入院時FIM 認知項目値と相関が高かった。【結論】自宅転帰には両因子得点が高いと可能性が高く,入院時FMS とFIM 認知項目は両因子の予測の一助となる可能性がある。