著者
木村 知子 藤原 奈佳子
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.221-230, 2015 (Released:2016-01-23)
参考文献数
10

病院の看護職員紹介業者(以下,紹介業者)利用が増えているが,紹介時には高額な紹介料が発生している。そこで民間中小病院の看護部長を対象として,紹介業者の利用の実態について質問紙調査を行い,今後の看護職員確保対策のあり方について検討した。 日本病院会会員名簿より抽出した民間中小病院987病院の看護部長に,独自に作成した自記式質問用紙による郵送調査を依頼し,148人(回収率15.1%)分をIBM SPSS Statistic20 for Windowsを用いてχ2検定及びt検定,自由記述はカテゴリー化した。 回答者の所属施設の75.7%が医療法人で,病床数は平均119.4±48.2床で,紹介業者の利用経験ありは66.9%と有意に高かった。自由記載の回答は84人(56.8%),159コードであり,「病院としての紹介業者の利用」「高価な紹介料」「紹介される看護師」「紹介業者へのフラストレーション」「今後の人材確保に向けて」の5カテゴリーとなった。 紹介業者の利用戦術や,ナースセンターの機能強化,看護基礎教育における教育が示唆された。