著者
木田 亮平 北村 言 磯部 環 武村 雪絵
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.305-314, 2023 (Released:2023-10-12)
参考文献数
13

目的:本研究は,認定看護管理者(CNA)の偏在是正と養成の普及推進のため,CNA所属施設の分布及び所属の有無と関連する二次医療圏や施設特性を明らかにすることを目的とした.方法:本研究は,5つの公開データを施設名で連結し,CNA教育機関所在医療圏と地域分類に区分した地図にCNA所属施設と非所属施設をプロットし地図を作成した.さらに,二次医療圏特性とCNA所属施設数との関連,施設特性とCNA所属の有無との関連を確認するため二変量解析を実施した.結果:CNAがいない二次医療圏はほとんどが過疎地域型医療圏であり,教育機関がない医療圏では有意に圏内のCNA所属施設数が少なかった(p < .001).施設レベルでは,病床数,教育機関までの距離,開設者,DPC区分が施設のCNAの有無と関連していた(p < .001).結論:地域特性と施設特性による全国のCNA分布の偏在状況が確認された.
著者
渡邊 龍之介 木田 亮平 武村 雪絵
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.63-71, 2022 (Released:2022-08-11)
参考文献数
22
被引用文献数
2

目的:看護職の労働条件,相対的に偏りのある勤務割り振り(以下,相対的偏り)や勤務日・休暇のコントロール感不足(以下,コントロール感不足)とバーンアウトや身体愁訴との関連を検証する.方法:2020年1~2月,交代制勤務に従事する看護職を対象にweb調査を行った.バーンアウトの下位尺度(情緒的消耗感,脱人格化,個人的達成感)と身体愁訴を従属変数とし,基本属性,労働状況,相対的偏りおよびコントロール感不足を順に投入する階層的重回帰分析を行った.結果:分析対象者は394名だった.階層的重回帰分析の結果,最終モデルでは労働状況には統計学的有意差を認めず,相対的偏りは情緒的消耗感と脱人格化に,勤務日や休暇の見通しのなさは情緒的消耗感に,急な休暇取得のしにくさは脱人格化と身体愁訴に関連した.結論:交代制勤務に従事する看護職にとっては労働状況よりも相対的偏りやコントロール感不足と心身のストレスとの関連が明らかになった.