著者
大高 武士 末原 忠臣 門 久義
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.198, pp.27-33, 2013-09-05 (Released:2017-09-05)

ヒートアイランド現象への対策には,都市緑化率の向上,ビル屋上や壁面の緑化,霧噴流による局所冷却,ビル壁面への高断熱材使用あるいは高反射塗料の塗布など,様々な方法が実施されている.本研究では,建物壁面に貼り付けた布に水を浸透させ,水の蒸発潜熱で壁面を冷却して建物内の冷房負荷を低減することにより,空調用電力の省エネルギーを促進することを目指す.本報告では鉛直加熱壁面を模擬した黄銅板に,保水率が42.7〜268mass%で蒸発速度が3.13〜3.50g/(m^2・min)の5種類の不織布を貼り付け,それに供給される水の蒸発による冷却量を計測した.その結果,冷却量がどの供試布でも同程度であったが,壁面温度が高いほど冷却量が大きく,風速が速いほど冷却量が大きくなることが明らかになった.