著者
末廣 祥二
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.231-242, 2013-01

2011年の東日本大震災、およびそれにともなって発生した原子力発電所の事故により、市民の科学的リテラシーの必要性が強く認識された。米国の科学的リテラシー教育はすべての市民のためのものという点が強調され、科学と社会の関係、人間活動としての科学という面を重視する。科学的リテラシーは科学についての理解を根幹とするものであるが、実際のところ科学に対する深い理解は、科学者を養成するための基礎訓練と、科学者としての実践によって獲得されるものである。一般市民に対する科学的リテラシーの教育においては、簡略化したカリキュラムでどのように科学を理解させるかということが最大の課題である。英国の21世紀科学のカリキュラムにおいては、説明のストーリーによって科学についての概念を与えるという考えがある。数年の大学生を対象とする科学的リテラシー教育の経験から、科学についての概念を学生にどのように与えることができるかという点について考察する。