著者
末永 正彦
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.25-32, 2005 (Released:2005-03-31)
参考文献数
11
被引用文献数
63 76

Windows環境におけるフリーの分子軌道計算プログラムであるPC GAMESSのための新しい計算化学統合環境の開発を行った。分子モデリングの機能については、市販のモデリングソフトに匹敵するものを実装した。モデルの描画にはOpenGLを用いているため精緻な3Dモデルの作成ができる。GAMESSの入力データの作成および計算の起動はGUIを介して支援され、計算結果の可視化については、最適化構造、分子軌道、静電ポテンシャル・電子密度の等値表面の表示、基準振動のアニメーション表示、赤外・ラマンスペクトルのシミュレーション等を実装している。更に、最適化構造は計算終了後直ちにモデルに反映されるので、GAMESSと連携したモデリングができる。このように、PC GAMESSを中心とした計算化学に必要な種々機能が統合されているため、作業が効率的となる。