著者
末續 鴻輝
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.230-235, 2017-11-03

完全情報ゲームの多くの研究は2人プレイのものに限定され,3人以上でプレイするゲームに関する研究は,Li[1]や,Straffin[2],Propp[3]などの研究があるものの,その絶対数は少ない.その理由の一つには,3人以上のゲーム独自の問題がある.2人ゲームにおいては,ゲーム木をすべて書き下し,終了局面から再帰的に遡ることで,それぞれの局面において先手に必勝手順が存在するか,あるいは後手に必勝手順が存在するかどうかを判定することができる.しかしながら,3人以上のゲームにおいては,このように一意に勝者を定めることはできない.本研究では,Liが導入した順位の拡張とも言える概念を導入し,よく知られた完全情報ゲームNIMの多人数版の解析を行う.さらにこれが,正規形のゲーム (最後の着手をしたプレイヤーの勝ちとなるゲーム)だけでなく逆形のゲーム (最後の着手をしたプレイヤーが負けとなるゲーム)を含めた拡張となっていることを示す.
著者
末續 鴻輝 織田 祐輔
雑誌
GAT2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.13-16, 2018-02-25

ガイスターは,二人で行う不完全情報ゲームである.相手の駒の種類がわからない中で,その正体を推測し,かつ自分の駒の正体を推測されないようにプレイを行う必要があり,単純なゲームでありながら複雑な心理戦の様相を呈する.そのため人工知能研究の対象としても注目され,本年より GAT の種目の一つに,ガイスターの人工知能対戦が採用された.そこで本研究では,ガイスター AI 大会に出場させる人工知能の開発を行った.近年の人工知能に関する話題は,機械学習に関するものが注目されており,ルールベースに開発を行ったものはあまり話題に上らないが,本研究においては,機械学習を用いずに強くできるかを検証するため,機械学習は用いずに開発を行ったので,その行動アルゴリズムをここに紹介する.