- 著者
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吉田 裕一
本村 翔
- 出版者
- THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
- 雑誌
- Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
- 巻号頁・発行日
- vol.80, no.1, pp.26-31, 2011 (Released:2011-01-21)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
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イチゴ高設栽培の普及にともなって,ポット育苗からトレイ育苗への転換が進んでいる.空中採苗したランナー子株をトレイに挿し苗することによって,省力的な促成栽培用イチゴ苗の育苗が可能であるが,トレイで育苗した苗はポット苗と比較して開花が遅れる株の割合が高くなることが多い.挿し苗育苗した苗はクラウンが深く埋もれることが多いことから,クラウンの深さ,挿し苗時期と苗の大きさがイチゴ‘女峰’の開花に及ぼす影響について検討した.その結果,培地から露出したクラウンより深く埋もれたクラウンの茎頂分裂組織付近の温度が高く,花芽分化が遅れることが明らかになった.また,小さなランナー子株を遅い時期に挿し苗した場合には,特に開花が不揃いになりやすいが,クラウン周辺の培地を取り除いて露出させることによって茎頂分裂組織付近の温度が低下し,開花が早く斉一になった.以上のように,深く埋没したイチゴのクラウン周辺の培地を取り除いて露出させることにより,花芽分化が安定したイチゴのトレイ苗を効率的に生産できることが明らかになった.