著者
本橋 伸高
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.106-109, 2012-04-15 (Released:2015-12-16)
参考文献数
23

1938年にイタリアで開発された電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)は方法の修正を加えられ,現在でも治療抵抗性精神障害の治療に用いられている。わが国ではECTの研究が早くから行われていたが,方法の改良はなかなか行われず,短パルス矩形波(パルス波)の治療器は2002年になって認可された。この治療器の導入により,修正型ECTが原則化され,ECTが技術として認められるようになった。さらに,ECTのイメージが改善し,ECTの研究が世界的に評価されるようになった。しかし,わが国では非修正型のECTが未だに行われており,安全で有効な治療法としてのECTを普及させる必要がある。