著者
塩田 孝夫 川村 和子 本橋 和子 若杉 和倫
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.1775-1780, 2005

今回, われわれは電解質分析装置STAX-3の日常の管理方法およびその問題点を, 標準血清およびコントロール血清を用いて検討した. STAX-3におけるNa<sup>+</sup>, K<sup>+</sup>およびCl<sup>-</sup>測定の日差再現性は, 変動係数が標準血清では0.8%以内, コントロール血清では1.1%以内であり, 良好な結果であったが, コントロール血清は標準血清と比較し, やや安定性が低かった. これらの結果より, 日常の管理には標準血清より価格の安いコントロール血清を用い, 装置の保守点検後およびコントロール血清を用いた日常管理で異常を示した場合, その確認のために, 理論値が表示されており, より安定である標準血清を用いることが適切と思われた. また, データ保証のためにはコントロール血清の選択と取扱い, および装置の設置環境に留意し, 管理を行うことが必要である.