著者
本田 晃子
出版者
北海道大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究の目的は、1930年代から1950年代にかけて生じたソヴィエト・ロシア建築の全体主義化において、マスメディアの果たした役割を検証することにある。このような目的のもとに、スターリンの首都再開発計画ゲンプランによって激しい変化のさなかにあった首都モスクワをめぐる、建築批評のテクストおよび映画作品をとりあげた。そしてこれらのメディアによって媒介された言説・イメージの分析を通して、連邦の特権的中心としての首都モスクワという神話的建築空間が形成されていった過程を明らかにした。