著者
本間 大貴 青木 達哉 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.3J2GS6b03, 2021

<p>近年,我々の生活を直接支援してくれるホームロボットの実現が期待されているが,未だ実現には至っていない.その理由の1つとして,ロボットにおける人間の言語命令の処理の難しさが挙げられる.例えば,与えられた発話の内容はいつ行うべきなのかを,ロボットが判断できる必要がある.「キッチンのシンクに片づけて」と言われたとき,その内容をすぐに行うと判断し,何も物をつかむことなくシンクに行ってしまっては意味がない.また,発話は人間が与えるものであるため,言い間違えをしてしまう可能性がある.そのため,発話を全て鵜呑みにせず,発話が妥当であるかどうかをロボット自身が判断する必要がある.提案手法は,ロボットの状態の遷移,各状態におけるマルチモーダル情報の分布を学習する確率モデルを利用し,状態ごとの単語の出力分布から言語命令の尤度を計算することで,先述した2つの問題を解決する.提案手法の有効性を示すため,時制の推定精度を他の手法と比較した.また,発話が間違っていた場合に,発話者が本当に言いたかったと思われる発話をスムーズに提示できるか,そもそも発話を疑うことでどれほど精度が向上するかを定量的に示した.</p>