著者
朱 雲飛 高橋 幸司
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1_25-1_35, 2014 (Released:2015-01-26)
参考文献数
16

日本政府は2008年に新たに「留学生30万人計画」を発表し,海外の優秀な人材を高等教育機関に受け入れようと大きく動き始めた.しかしながら,近年,留学生人数の減少や質の低下等についての懸念が増えてきた.これは日本の留学生受入れ制度が戦後から根本的に変わっていないことに加え,国際的な人材獲得競争が激化しているため,留学生の視点から見ると,日本への留学は他国と比べて,その魅力が弱くなっていることが大きな原因の一つであると考えられる. 本稿では,まず留学生の視点から日本の高等教育機関に留学するための準備段階における取引構造を解明し,現存の日本の留学生受入れ制度の問題点を指摘する.次に,山形大学の産学連携による海外学級制度の試みを例として,如何に日本留学のための準備段階にかかる期間を短縮し,コストを節約するか,取引を再デザインする.