著者
杉村 篤士
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.56-62, 2014 (Released:2016-12-09)
参考文献数
9

外来におけるADの乳幼児をもつ母親への有効的な看護介入の方法の指針を得ることを目的に、11名の母親に聞き取り調査を行った。その結果、母親は、子どもの将来やステロイド外用薬の副作用に対する不安、医療者からの不明瞭・一方的な指導、ADの治療における軟膏処置の複雑さから、家庭でのケアが不十分となり、子どもの症状悪化や治癒の遷延を招いたことが明らかになった。これらのことより、外来における看護介入として、母親のADに関する理解や不安を把握したうえでの知識の提供、実演による軟膏指導、個別性に配慮したパンフレットの利用、初期段階においての母親との子どもの特徴の把握、症状悪化時の対応の検討、母親の自己効力感の向上を目指した関わり、家族の支援体制の調整が重要であることが示唆された。