- 著者
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郭 桂芬
信田 哲宏
賈 会彬
新家 憲
井出 成一
郭 献山
李 忠貴
近江谷 和彦
松田 従三
- 出版者
- 専修大学北海道短期大学
- 雑誌
- 環境科学研究所報告 (ISSN:13464736)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.105-111, 2005-12-30
中国黒龍江省嫩江は少雨、寒冷地帯である。年間降水量は550〜600mm、年平均気温は-0.1℃である。この地帯の主要作物は大豆(油用)である。大豆などの作物を春に播種するとき、5月には降雨がほとんど無く、かつ気温が急降下することがあり、発芽が不安定である。このため、土壌水分の蒸発を防ぐことと、地温を上げるため、マルチ栽培が慣行化している。大豆栽培において、成長期の7月中旬に、このマルチフイルムを剥ぎ取らなければならない。7月中旬以降は降雨季に入り、雨水が地中へ浸透し易くするためである。さらに大豆が大気中の窒素を固定するため、マルチフィルムが妨害になるためである。現在、マルチフィルムの剥ぎ取り作業を全く人手で行っている。面積が広大であることと、マルチフィルムは纏まれば重量物となり、炎天下で、腰を曲げて行う作業であるため極めて重労働である。当研究では、このマルチフィルムを剥ぎ取る機械を開発することを目的とする。対象作物は大豆とする。主な結果は日本のらくはぎマルチフィルムのスリットから風が通るため、土壌との密閉が良くなく、雑草が生えてきた。中国黒龍江省嫩江県は春の播種期にほとんど雨が降らない、かつ風が強いため、スリットから水分がどんどん蒸発してしまう。保温、保湿の意味が薄くなった。日本のらくはぎマルチフイルムの厚さは0.02mmである。中国現地のフイルムの厚さは0.008mmである。コストの面で現地の農家にとって実用性に問題がある。紙マルチは弾力性がないため、機械で紙マルチを引く作業が極めて難しい。また、圃場は、かなり平らでなければ、紙マルチはすぐに破れてしまう。このため設置作業が難しい。紙マルチは雨に濡れると伸び、乾燥すると縮むため、2ヶ月の間に破れた。このためマルチの意味がなくなる。中国のマルチフィルムは巻き取るとき、すぐ切れた。これは0.008mmと薄いことと、黒龍江省では春の播種期の時、風が強いため、マルチをするときに必ずマルチの両端に多くの土をかけなければならない。この土は夏の雨で濡れ、非常に固くなる。このため両端の土壌が抵抗になってフイルムが切れた。これを解決するために、フイルム両端の土壌土壌をあらかじめ耕起して、土を落とすチゼルを今後、開発する必要がある。