著者
李 文鑫
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.83-101, 2017-12-31 (Released:2018-01-12)
参考文献数
23

本稿では、概念メタファー理論に基づき、中国人日本語学習者の作文に現れたコロケーションの誤用を分析し、その原因を検討した。まず、「興味」を例として、日本語と中国語の概念メタファーの異同を探った。その結果、日本語では<興味は液体>という概念メタファーが発見され、それを支えるイメージ・スキーマとして力スキーマ、容器スキーマが挙げられる。それに対して、中国語では<興味は植物>という概念メタファーが発見された。次に、学習者コーパスに現れる個々のコロケーションの誤用の原因を分析し、誤用の原因は日中両言語の概念メタファーのズレであることを明らかにした。