- 著者
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新家 憲
郭 桂芬
近江谷 和彦
松田 従三
賈 会彬
石 風善
李 東才
- 出版者
- 専修大学北海道短期大学
- 雑誌
- 環境科学研究所報告 (ISSN:13464736)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, pp.143-147, 2004-12-30
アルカリ土壌の改良を目的として4段式心土混層プラウが設計試作された。2003年5月に、この4段式心土混層プラウで中国黒龍江省大慶市で試験圃場が施工された(2ha)。2004年7月に、この試験圃場で土壌調査、および作物の生育調査を行った。主な結果は対照区では表層0〜5cm(Ana層)に2.5MPaの硬い層があった。その下は深さ90cmまで1.0〜1.5MPaであった。処理区は表層も軟らかく、深さ90cmまで0〜1MPaであった。したがって1年間で土壌硬度は復元しなかった。処理区も対照区も、pH値は9-10であり、きわめて強いアルカリであった。したがってB層への堆肥施用だけでは、pH値を下げることはできない。pH値を下げるには、毛管による地下水の上昇を遮断する方法など、他の方法を考える必要がある。処理区の水分は対照区の水分より明らかに高かった。処理区では降った雨が深さ30〜50cmの心土(B層、C層)に保持されていた。対照区の表層であるAna、A層の水分が約5%d.b.と低かった。この理由は降雨があっても、土壌硬度が高く、クラストしているため、土壌中に浸透できず、表面水として流れ去ってしまうものと考えられる。一見して処理区と対照区の草丈に大きな差があった。処理区の野生草の草丈は約45cmであるのに対して、対照区では15cmであった。処理区では根は、C層に達していて、約50cmであった。対照区では、B層まで達していて、その深さはせいぜい30cmであった。