著者
村上 恭祥
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-10, 1967-07-31 (Released:2010-02-10)
参考文献数
2
被引用文献数
3 5

1) コイ稚魚に発生する頭部変形の症状及び発生原因について検討した.2) 頭部の変形がもっとも目立つが,変形は骨格全体に及んでおり,骨格はもろくやわらかいことから,骨格形成に異常が起っていること考えられた.3) 変形は,人工餌料を積極的に食べだしてから7~10日で発生し,体長5~6cm以上になると発生しにくい傾向が認められた.4) 市販配合餌料,サナギ,魚粉等の人工餌料を過食すると変形が発生するが,ミジンコを飽食したと思われるものには発生しなかった.5) 市販配合餌料に第2リン酸カルシウム5%,マツカラム塩5%の計10%のミネラルを添加すると,変形発生はほぼ完全に防止された.6) ミネラル10%添加餌料により変形魚を30%治ゆさせることができた.