- 著者
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村上 成明
- 出版者
- 日本ヒューマンケア科学学会
- 雑誌
- 日本ヒューマンケア科学会誌 (ISSN:18826962)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.1-11, 2019 (Released:2021-12-14)
- 参考文献数
- 10
看護師の知識には客体化できない暗黙知が含まれ、具体的な経験から積極的に知識を掘り起こさなければ真の強味とはならない。また、知識は人間同士の関係性の産物であり、知識を共有する構造と過程の理解が不可欠である。そこで、看護ユニット内の知識共有に影響を与えている要因とマネジャーの判断および実践を、看護師長20名への半構成的面接を通して捉え、グラウンデッド・セオリー・メソッドで分析した。その結果、10個のパラダイムが抽出され、それらは知識共同体の成熟を伴う知識共有過程を構成していた。そのうちの6個は知識共有の進展過程を構成しており、“実践による練磨”→“材料としての知識”→“旬の役割”→“知識の常識化”→“態度の伝播”→“共同体の成熟”というステップで進展し、個人知が集合知として洗練され共有される。また、同時に知識共同体が成熟していき、そのためには肯定的で開示的な姿勢が重要との帰結に至った。