著者
横溝 賢 村井 麻里子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.15, no.15, pp.24-27, 2010-03-30
被引用文献数
1

本作品は、愛媛県の伝統工芸である伊予水引の魅力を国内外に伝えることを目的に、商品の企画設計からブランドアイデンティティまでトータルにデザイン開発を行ったものである。従来の結納飾りや、金封飾りをリデザインするのでは、これまでの伝統工芸品の焼き直しである。主に慶事に用いる水引の伝統的風習を継承しつつも、現代の生活様式にあわせた、新しい「祝い」の様式を提示するテーブル周りの水引工芸品を企画した。水引には、贈り物に紅白の水引を掛ける伝統的作法としての文化的価値のほかに、しなやかな張りを持つ紙紐素材の技術的特性もある。本作品では、水引の歴史的・文化的価値がユーザーに伝わるようブランドのコンテクスト作りを行い、同時に水引素材の質的特性を効果的に用いたデザイン開発を行っている。