著者
三河内 薫丸 村瀬 活郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.331-335, 1967-03-20

はじめに 頭部開放創は,頭皮より脳実質までの種々の組織の複雑な損傷の組合せであり,処置もまた種々の要素を含んでいる.不適当な処置を行なつた場合は死の転帰をとる場合もあり,運よく死をまぬがれえたとしても後日,頭骨骨髄炎,化膿性髄膜炎,脳膿瘍,脳海綿腫,外傷性てんかんなどの悲惨な合併症の原因となる. 頭部開放創はこれを治療面より見た場合,その深さに応じ,次のごとく分類して考えるのが便利と思う.