著者
李 震鎬 宮崎 紀郎 村越 愛策
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.9-16, 1994

視認性に及ぼす走行環境の影響を調べる目的で,現在使用されている道路案内標識をとりあげ,文字を中心にそれらをどのように認知しているのかを明らかにしたものである。内容は実験I.として視認性に及ぼす走行速度の影響を調べるために,走行速度を30,50,70km/hの3種類に設定し,同一地名に対する検索時間などで視認性を調べた。実験II.としては視認性に及ぼす情報量の影響を調べるために,九つの異なる情報を設定して視認性を調べた。その結果,I.走行速度は50km/h,30km/h,70km/hの順に視認性に対して優劣関係にあることが明かとなった。II.情報量から見た場合の視認性は,文字の複雑さの要因が大きくて,画数の少ない,簡単なものから読み始める傾向が顕著である。また,視認したという判断については,漢字のみの構成ならば画数にしたがっているが,カナや数字が入ってくると,それらが視認されてから他の文字をはっきり視認しなくても推測が働き,漢字単独の状態よりも早い段階でその情報を認知していることを確認した。
著者
畑山 美香 宮崎 紀郎 玉垣 庸一 村越 愛策
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.31-38, 1996-07-31
参考文献数
17

本研究は,最近出された,印刷媒体における比較広告をいくつかの型に分類し,それをもとに比較広告が人々にどの様に受け止められているのかをアンケート調査したものである。その結果をもとに,日本における比較広告の現状について検討した。比較広告は,アメリカではさかんに行われている。日本では,最近いくつかの比較広告が若者に関心を呼んでいるようだが,日本人はあからさまな比較を嫌うせいか,あまり多くは見られない。果たして,比較広告は,日本人には受け入れられないものなのだろうか。そこで,我々は,15歳から65歳までの男女189名に比較広告に関するアンケートを依頼し,143名の有効回答を得た。調査の結果,以下の点が判明した。(1)比較広告は,全ての年代の人々に受け入れられている。(2)広告の中で比較の相手の名前を出さない無指名型よりも,名前を出す指名型の方が効果的である。