著者
南雲 正 村越 昌彦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.757-759, 1963-06-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
3
被引用文献数
1

アルミニウム鉱物または鉄(III),アルミニウムの多量を含有するガリウム濃縮物を塩酸で分解し,得られる溶液を少量のTBPで溶剤抽出してガリウムを濃縮する場合,ガリウムの抽出性は溶液の組成と密接に関連する。この問題を解明する目的で,模型溶液につき基本的な平衡図の作成を行なった。その結果,溶液の組成,特に塩化物の塩素イオン濃度,遊離塩酸濃度を適当にえらべば,ガリウムは能率よく高濃度濃縮できることがわかった。この方法は鉄(III)の多量を含有するガリウム濃縮物の塩酸分解液に適用する場合,有利な方法であると思われる。