- 著者
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             井桁 正己
             
             東 慶次郎
             
             塗師 幸夫
             
             日比野 泰三
             
          
- 出版者
- The Chemical Society of Japan
- 雑誌
- 日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
- 巻号頁・発行日
- vol.92, no.12, pp.1126-1131, 1971 
- 被引用文献数
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             4
             
             
          
        
        シリカとジルコニアからのジルコン合成において,フッ化ナトリウムの添加は反応促進効果を示す。この反応促進機構を究明するために,鉱化剤添加時のジルコン合成反応過程を,常温および高温でのX線回折,DTA,赤外吸収スペクトル分析などによって解明し,その結果まずシリカ,ジルコニアおよびフッ化ナトリウムの3組成からなる無定形の中間生成物が認められた。<br> つぎにこの中間生成物の作用機構を解明するために,錠剤法によって,それがシリカおよびジルコニアにおよぼす作用およびジルコンの生成する過程を調べた結果をまとめるとつぎのようになる。<br> まずフッ化ナトリウムとジルコニア,シリカのおのおのの一部が約700°Cで反応して,3組成からなる溶融状態の中間生成物を生成し,それより高温になるにつれてジルコニアとシリカの転移がおき,さらにそれらは溶融状態の中間生成物中に拡散し,それを媒体としてジルコンが生成しはじめる。