著者
東部 晃久 坂本 雄 山﨑 裕司
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション専門職大学
雑誌
高知リハビリテーション専門職大学紀要 (ISSN:24352535)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.45-48, 2021 (Released:2021-06-29)
参考文献数
5

口頭指示によって改善できない足部の引きずりを呈した慢性期高齢片麻痺患者を経験した.症例は70歳代の女性,軽度の右片麻痺と注意障害,短期記銘力の低下を認めた.歩行中,右足部が徐々に後ろに残り,転倒の原因となっていた.この症例に対して,視覚的プロンプトの提示と引きずり回数のフィードバックを併用した介入を週2回実施し,その効果について検討した.ベースライン期での引きずり回数に比較し,介入期の引きずり回数は有意に減少した(p<0.05).また,プローブ期でも引きずり回数は増加しなかった.以上のことから,今回の介入は足部の引きずりを減少させるうえで有効に機能したものと考えられた.