著者
介弘 達哉 下畑 さより 松下 久明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27
被引用文献数
2

現在、機械翻訳の実行化に関する様々な研究が行われている。その1つとして、我々は差分翻訳システムの開発に着手している。差分翻訳とは、文書の旧版の翻訳結果(対訳)を利用して、文書の新版の翻訳を効率良く行う方法である。旧版と新版の原文を比較し、同じところは旧版の訳文を利用し、違いがある文だけ翻訳を行うことによって、翻訳作業の軽減が可能となることから、改版が頻繁に行われるマニュアルなどの文書の翻訳業務などに適用される。このシステムを実現するためには、対訳文書の文の対応付けが不可欠である。原文と訳文の文の対応付けに関する研究は各所で行われているが、完全な対応付けを実現することは難しい。我々は、文書のフォーマットを利用して、対訳文の対応付けを行うシステムを試作した。本稿ではこのシステムと従来システムとの比較を行うことによって、対訳文の対応付けに文書フォーマットを利用することの有用性を示す。[figure]