著者
宮武 茂博 永川 忠示 三沢 清利 小佐々 治海 坂本 渉仁 小川 伸一 山野 利昭 飯川 寛平 仲井 淳一 滝井 健司 松井 脩 粟根 克昶
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.871-877, 1986-09-20

解像度を決定する画素数の増加, 感度の主な要因である開口率の向上, 固体撮像素子特有の欠点であるスミアの低減を同時に達成するために開発したSFPW(Shallow Flat P-Well)構造を用いた2/3インチ光学系用490(V)×510(H)画素インタライン転送方式CCD撮像素子について述べる.SFPW構造では撮像部を浅い平坦なpウェル上に形成することが可能なため, p型不純物の横方向拡散の影響がなく画素の縮小化が図りやすい.またCCD垂直シフトレジスタ下部のpウェルも完全に空乏化するため, 光電変換により発生した電荷のシフトレジスタへの混入が抑圧されスミアの低減が図れる.さらにフォトダイオードの構造をn^+-n^--p-n構造としたため, 信号電荷の蓄積に伴う変化が少なく, また光の多重干渉による凹凸のない, 高い量子効率を備えた分光感度特性が得られる.素子の水平限界解像度は380TV本, 開口率は34%, スミアは-70dB(550nm)である.