著者
松尾 弘徳
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、申請者がこれまでに行ってきた日本語史の研究成果を援用しつつ、「新方言」と呼ばれるものを対象として、九州地域の方言に生じている文法変化の一端を明らかにした。方言が文法変化を生じる際には一定の方向性が見られる。そこで、「方言調査からの実証研究」と「文法変化に関する理論的研究」とを結びつけ、とりたて詞を中心とした九州地方における新方言の文法研究に取り組み、言語変化の方向性に関する考察を行った。日本語文法史研究と方言文法研究の接点を見出せたのではないかと考えている。