著者
三輪 裕介 穂坂 路男 松島 大輔
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.150-154, 2020 (Released:2020-03-01)
参考文献数
18

関節リウマチを含むリウマチ膠原病疾患患者は健常人と比較して, うつ病, 不安障害などの発症率が高いことが報告されている.乾癬性関節炎, 全身性エリテマトーデス, 血管炎症候群については, 副腎皮質ステロイド, 免疫抑制剤, 生物学的製剤などを組み合わせた集学的治療によって原疾患の治療成績が向上した. 同時に合併するうつ病も改善することが示された.しかし, 原疾患の再燃への不安, 薬剤副作用への不安, 倦怠感, 活力の低下, 緊張, 焦燥など原疾患との関連が否定できない愁訴に対しては, 心身医学的アプローチが必要になる.シェーグレン症候群, 線維筋痛症については, 原疾患をコントロールする確立された治療法がない. そのため, 原疾患が緩徐ではあるものの進行することに対する不安感, 薬剤が効きにくい慢性疼痛, 倦怠感などの愁訴については, 心身医学的アプローチが重要である.