著者
松島 正起 角濱 春美
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.14-22, 2020-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
36

本研究の目的は, 看護師の注視と認知に関する先行研究の結果を, 扱われている観察場面をもとに整理し, 看護師の認知を妨げるバリアが認知心理学における認知過程のどこに, どのような要因から生じるのか検討することである. 看護師の認知を妨げるバリアには, 「何を観察すべきか分からないと観察すべき箇所を注視できない」「行為に関する情報に多くの注意が配分されると周辺情報を注視できない, または周辺情報を注視しても認知できない」「知識, 経験がないと, 観察すべき箇所を注視しても認知できない」が考えられた. 観察場面には患者周囲環境と危険認知, 看護行為中があったが, 患者が不快な状態への看護師の注視と認知を明らかにした研究はなかった. 今後の課題として, 患者の不快への看護師の注視と認知について調査する必要がある.