著者
松崎 敦子 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.359-368, 2015 (Released:2015-11-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

児童発達支援事業所に勤務する保育士2名を対象に、応用行動分析の知識と技術に関する研修プログラムを実施した。研修は、講義、オンザジョブトレーニング(OJT)、ビデオフィードバックで構成した。保育士の支援技術は、本研究用に作成した40項目の支援技術リストを用いて評価し、参加児の評価は、介入前後に標準化テストと行動観察を実施した。その結果、保育士の支援技術が向上し、介入終了から2か月後の事後評価においても維持されたことが示された。また、参加児の発達も複数の評価指標において示された。本研究において、保育士の支援技術を向上させるには、フィードバックが必要であること、フィードバックの手続きとして、OJTとビデオフィードバックを並行して実施することが有効であること、技術の向上が認められても安定するまでは介入を継続する必要があること、などの条件が示唆された。