著者
松本 えみ子
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.63-72, 2002-03-22 (Released:2010-05-31)
参考文献数
74

本総説では, バイオレメディエーション, ファイトレメディエーション, およびリゾレメディエーションの研究における最近の知見について報告した。特に, その高い毒性のために関心の高い難分解性有機塩素化合物と重金属汚染を対象とした研究の現状を紹介した。バイオレメディエーションの研究は, 環境微生物の分解能の解析・改変に加え, 汚染現場への適用のために必要な微生物のモニタリング手法や管理手法の報告が多くなってきている。ファイトレメディエーションとリゾレメディエーションは開発途上にある技術だが, バイオレメディエーションよりも維持・管理が容易であることから, 今後非常に注目される技術である。また, 植物や根圏微生物に難分解性物質分解酵素を導入した組換え体の創出の報告も相次いでおり, 今後の展開が大いに期待される。