著者
岩崎 雄介 奥村 真美 松本 仁見 安藤 千夏 亀井 淳三
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10.11, pp.573-581, 2021-10-05 (Released:2021-12-06)
参考文献数
38
被引用文献数
1

食品には,さまざまな機能性をもった化合物が多く含まれている.そのため,疾病の予防や症状の緩和に寄与する目的として,機能性を付与した食品が多く開発されている.化学物質や食品成分は,無毒性量(NOAEL)や許容一日摂取量(ADI)が設定され,さらに,医薬品は,開発段階において他の物質との相互作用についても詳しく調査されている.しかし,食品成分については,さまざまな成分が含まれているため,単体の安全性は確保されていても,相互作用については,すべてを検証し評価することは困難なものとなっている.そこで本稿では,食品に含まれる抗酸化物質に注目し,相互作用によって生じる活性酸素種及び活性窒素種について紹介する.