著者
小木曽 秀紀 酒井 浩晃 藤永 真史 松本 悦夫
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.59, pp.39-42, 2012-12-01 (Released:2013-12-27)
参考文献数
6

アスパラガス茎枯病菌の伝染源を減少させる目的で,大型バーナーを利用した畝面焼却によるアスパラガス茎枯病の防除を試みた。大型バーナーとして,灯油式バーナー (マンモスバーナー P-100型: ピリオン製) およびガス式バーナー (デルタLPバーナー PDL-3型: 新富士バーナー製) を供試した。2009~2010年に長野市において実施した試験では,晩秋処理区,早春処理区,晩秋+早春処理区を設置し,灯油式バーナーにより畝面を焼却した。薬剤防除を行わない条件下で,立茎後から経時的に茎枯病の発病を調査した。その結果,立茎開始47日後となる2010年6月11日に,無処理区の発病度が39.8であったのに対し,晩秋処理区11.8,早春処理区14.6, 晩秋+早春処理区7.5であり,いずれも高い防除効果が認められた。2010~2011年に塩尻市で実施した試験では,前試験と同一の試験区に加え,ガス式バーナーによる早春処理区を設置した。薬剤による慣行防除下で,経時的に茎枯病の発病を調査したところ,立茎開始31日後となる2011年8月4日に,無処理区の発病度が10.8であったのに対し,晩秋処理区1.7,早春処理区1.7, 晩秋+早春処理区1.5,ガス式バーナー早春処理区1.7であり,いずれも高い防除効果が認められた。以上により大型バーナーによる畝面焼却は,アスパラガス立茎開始後の初期防除に有効であると考えられた。